フルハ氏の備忘録

燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや

DUSTについて


時間を忘れてDUSTを眺め、

配置を変えては写真を撮って

Facebookに投稿して


この作品の圧倒的な技術の高さを

外に紹介したつもりになっていたが、


5日経って、ようやく気づいた。


僕の仕事は文章を書くことだ。

写真を撮ることではない。


だから、書いて伝えねばならない。

DUSTがどんなにすごい作品なのか

ということを。

 

芸術は、趣味、嗜好品、教養であり、

有っても無くても良いが

有ったほうが豊かな生活が送れる

という程度に思うかもしれない。


しかし、良い作品は、そんな

あってもなくてもどっちでもいい

というようなものではない。


生きるために必要なものだ。

 

DUSTの作者、Miki Kitazawaさんに

初めてお会いしたとき、


彼女は、

写真家とカメラマンの違いを

僕に話した。


どちらも、写真を撮ることを

生業にしているという点では同じだが、


カメラマンは

クライアントに言われたとおりに

撮影しなければならないのに対し、


写真家は

自分が本当に撮りたいものを

とことん追い求めることができる。


しかしながら、実際は

99.9%がカメラマンで、

プロの写真家は数えるほどしかいない。


私は、カメラマンではなく

写真家として生きたい、


いや、


写真家としてしか

生きられないから、


今、必死に腕を磨いているんです。

 

そういった内容のことを

彼女は、淡々と

さも当たり前のことのように

僕に話したが、


その言葉は力強く、覚悟が見えた。

プロだ、と僕は思った。

 

自分はどうしようもなく写真家である

と思い定めて、

日々、制作に打ち込み、


一流の技術をもって

つくり上げられた作品が

趣味的であるはずがない。


圧倒的な技術力に

ただ茫然とする。


そして、不思議と

心に勇気を与えてくれる。


まさに、本物だ。


生きるためのエネルギーが

ここにつまっている。

 

DUSTは、夜空の星々のまたたきにも見える。


そういえば、仏教では宇宙のことを

「十方微塵世界」や「塵刹」と言い、


果てしなく広がる宇宙空間の中で

地球という惑星も、ほんの塵芥に過ぎない

と説かれる。


その地球の中の、さらに

塵屑のような存在である私が、

今、生きて何をなすべきか、

問われているようだ。

 

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26.7.5 5:35

DUSTについて
http://me1t.exblog.jp/22866930/

Miki Kitazawaさんについて
http://www.mikikitazawa.com/